「うたかたの恋」とアナトール・リトヴァク監督

マイヤーリングは生放送のテレビ映画だった!

今回上映された『マイヤーリング』はモノクロ作品ですが、一度だけテレビ放送された時にはカラーでの放映でした。おまけに生放送でテレビで流したというから、すごいことです。もちろん、演じる役者も生放送で演じています。ライブ映像で演じているのでそこにも注目してください。豪華な舞踏会のシーンなど、オードリー・ヘップバーンが着たドレスをカラーで見たかったものです。

舞台設定が宮廷ということもあって、オペラ劇場も出てきたりそして映画のBGMとして流れる音楽とお正月に公開されるのにぴったりのとても豪華な作品になっています。それもそのはずです。テレビ映画としては当時破格の製作費50万ドル!という製作費をかけられているので、オードリーの衣装もとても豪華です。

「うたかたの恋」

1957年にたった一度だけNBCテレビで放送された『マイヤーリング』ですが、この作品を監督したアナトール・リトヴァク監督は原作の「うたかたの恋」を1936年に映画で監督しています。それから再びテレビ映画として撮影しています。なんでも、1936年の「うたかたの恋」ですが、日本では皇室スキャンダルだということで検閲で上映禁止となった作品です。そして「うたかたの恋」が日本で公開されたのは上映されてから10年経った戦後の1946年のことです。

『マイヤーリング』キャスト

  • マリー・ヴェッツェラ:男爵家の令嬢 ・・・ オードリー・ヘプバーン
  • ルドルフ皇太子:オーストリア皇帝の世継ぎ・・・ メル・ファーラー
  • ターフェ首相:伯爵でもあり2度首相を務める・・・・ レイモンド・マッセイ 皇太子ルドルフとは政治的な確執があり対立。
  • エリザベート皇后:ルドルフの母 ・・・・ ダイアナ・ウィンヤード 愛称「シシィ」で知られている。
  • フランツ・ヨーゼフ1世:皇帝でルドルフの父・・・ ベイジル・シドニー オーストリア帝国の「国父」とも呼ばれ象徴的な存在。
  • ラリッシュ伯爵夫人:ルドルフの従姉・・・ ジュディス・イヴリン マリーとの仲を取り持ち、ルドルフの唯一の理解者。
  • ヴェッツェラ男爵夫人:マリーの母親・・・ イソベル・エルソム マリーの母親はとても厳格な母。
  • ロシェック:召使・・・ イアン・ウルフ 皇太子ルドルフにとても忠実な召使。
  • モーリッツ・セップス:新聞社の編集長・・・ ジョン・マクガヴァン 皇太子ルドルフの親友。
  • ステファニー皇太子妃:ルドルフの妻・・・ ナンシー・マーチャンド ベルギー王室出身でルドルフとの夫婦間は冷えている。
  • ハンナ・ヴェッツェラ:マリーの姉・・・ ピッパ・スコット

アナトール・リトヴァク監督

この作品を撮影したアナトール・リトヴァク監督は、現在ウクライナで当時はロシア帝国のキエフで誕生しました。最初は俳優としてデビューしていますが、大学で哲学と演技を学び俳優をしながら助手としても活動を始めました。

1923年にドイツへ渡りドイツで編集作業に関わったり、助監督としての活動を経て1930年に映画監督としてデビューを果たします。初めての長編映画の監督としてデビューをしてから、1年ごとに作品を発表していますが、大きな出来事があります。アナトール・リトヴァク監督はユダヤ人なので、1933年にドイツにナチス政権が誕生したことでドイツからフランスへと移住します。「うたかたの恋」を発表したのは、フランスに移住してからのことです。

1937年にフランスからアメリカへ渡り、アメリカハリウッドへ進出を果たしました。犯罪映画やロマンス映画を発表していますが、戦争中ということもあって1942年から1945年まで、プロバガンダ映画「Why We Fight」シリーズや「ザ・バトル・オブ・チャイナ」などを監督しています。その後もアメリカに留まって映画を撮っていますが、1948年にはアカデミー監督賞にノミネート作品『ヘビの穴』やイングリッド・バーグマンの代表作『追憶』なども監督として手がけました。

テレビ映画の『マイヤーリング』を監督したのは、アナトール・リトヴァク監督がハリウッドで活躍していた1957年作品です。そして『マイヤーリング』が放送されてから3年後の1960年に再びアメリカからヨーロッパへ渡り、イヴ・モンタンとイングリッド・バークマンとの『さよならをもう一度』や他の作品をヨーロッパで発表してます。

アナトール・リトヴァク監督が人生の幕をおろしたのは1974年12月15日にフランスでなくなりました。カンヌ映画祭でパルムドールを獲得した『さよならをもう一度』など映画監督として1930年から実に40年も活躍しました。

永遠の妖精 オードリー♪